目指す社会と使命
目指す社会と使命
私たち全国被害者支援ネットワークは、全国48の加盟団体とともに犯罪被害者と被害者家族・遺族がいつでもどこでも必要な支援が受けられ、その尊厳や権利が守られる社会の実現を目指して活動しています。
<主な取り組み>
- 犯罪被害者がいつでもどこでも支援が受けられる全国規模での支援体制の構築と推進、関係団体・機関との連携
- 犯罪被害者への支援の充実、犯罪被害相談員、犯罪被害者直接支援員の育成、加盟団体の組織力強化
- 犯罪被害者の実情が広く理解され、その権利が守られる社会の実現に向けた啓発・広報活動
- 犯罪被害者の権利を守るための施策の実行と法整備の促進
設立経緯
これまで長い間、日本における犯罪被害者とその遺族は、適切な援助を受けることなく、社会の中で孤立し放置されてきました。法制度においても、加害者の権利は重んじられる一方、被害者とその遺族が当たり前のこととして守られるべき権利が忘れ去られている時代が長く続いてきたのです。
凶悪な犯罪による被害は、いつ自分の身に及ぶかは誰にもわかりません。私たち全国被害者支援ネットワークは、そんな犯罪の被害に遭われた人が、いつでもどこでも適切な支援が受けられ、再び平穏で安全な生活を取り戻せる社会の実現のために生まれました。
活動の始まりは1992年3月、東京医科歯科大学において遺族の苦しみに応える形で創設された犯罪被害相談室にまでさかのぼります。その後、全国から賛同者が集まり、1998年5月、全国8団体による民間組織「全国被害者支援ネットワーク」を設立。加盟団体は年々増え続け、2009年7月には47都道府県すべてに加盟団体(被害者支援センター)が設置されました。
犯罪被害者支援は、これら民間団体の活動によって支えられ、団体の多くは都道府県公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体の指定を受け、警察と連携して活動しています。
私たち全国被害者支援ネットワークは、これからもより一層支援内容の充実を図り、目指す社会の実現に向け邁進していきます。
(公財)犯罪被害救援基金 機関紙「ふれあい」
平成4年6月 掲載記事
犯罪被害者の権利宣言
1999年5月、全国被害者支援ネットワークは「犯罪被害者の権利宣言」を発表しました。犯罪被害者は、同じ社会の一員の不法な行為によって人権を踏みにじられ深く傷つき、社会への信頼を根底から揺るがされます。また、加害者の権利については法律に多くの定めがありますが、被害者の権利は尊重されずに放置される時代が続きました。この損なわれた信頼の絆を回復するのは社会の責務でもあります。
以上の考えのもと、「犯罪被害者の権利宣言」では、犯罪被害者の7つの権利を宣言しています。そしてこの宣言の主旨は2004年12月に公布された「犯罪被害者等基本法」に反映されています。