第2部は、「民間団体と関係機関の連携した支援の在り方」ということで構成しております。 最初にパネリストの方に意見発表していただいて、その後、今回初めて架空事例の検討として、一つ事例を用意して、みんなで討議しながら支援の在り方を考えていく時間を設けます。 その後、連携の在り方についてディスカッション。それで最後にまとめという予定でおります。
この第3次基本計画には、計画を作る際にいただいたご意見の中から、基本方針の中に盛り込まれたことがございます。それが、被害が潜在化しやすく、そのニーズを把握することが困難な被害者の皆様に関する適切な支援でございます。 潜在化しやすい被害として性被害の問題が大きくあります。本日、テーマに取り上げる子どもたちの被害も、大変ニーズが把握しにくく、潜在化しやすく、適切な支援が必要とのことで盛り込まれた次第です。ここが今日のテーマのひとつということにもなっているわけです。
被害者のニーズに応じた質の高い適切な支援ということだろうと思います。 、被害者の方のお気持ちというのは、いろいろなものがございます。 それに対し被害者支援というのは、被害者の方の気持ちに寄添った支援ができるかどうかということですので、そのための連携にはどんな形があるのかということを、これからパネリストの方に御報告いただきます。
このパネルディスカッションでは、性犯罪被害者の支援を中心に、様々な立場で活躍されている方々から、実情を踏まえた貴重なお話をいただくことによって、その現状を知ると同時に、会場の皆様と一緒に今後の展望にも思いを馳せていきたいと考えております。 色々なところで言い古された言葉ではありますが、犯罪被害者支援に当たっては各機関の連携が大変重要です。心ある多くの方々、理解ある多くの組織の連携なくして犯罪被害者支援の将来は望めません。長く犯罪被害者支援に貢献されてきた方にとっては、連携という言葉は、もう耳にタコができるほど聞き飽きた言葉かもしれませんが、連携の大切さはどれだけ繰り返し訴えても十分ということはないと思います。何度も色々な形で連携のあり方について考えていくことこそが、被害者支援を充実させていくことにつながると思います。
被害者を「気の毒な人」と見るのでなく、英雄視したり単純化したりするのでもなく、できるだけ実態に近い姿やその人の言葉を伝えることは、世の中の偏見や誤解、「被害者ってこういうもんだ」という思い込みや決めつけを変えていくのに、何がしかの力を発揮するのではないでしょうか。複雑な現実を複雑なままに伝えることは、「より速く、より短く、よりインパクトが強い」ものが求められる昨今では、さらにむつかしいことではありますが、社会政策の改善を求めたり、より適切な支援を探ったりしていくためにも、必要なことだと思います。