TIC を考える上でまず共有したいことは、TIC は、決 して目新しい概念や技術的な一技法ではないというこ とである。TSC(Trauma Specific Care:トラウマ スペシフィックなケア)と呼ばれる、トラウマに特化した PTSD(心的外傷後ストレス障害)への治療プログラム (認知処理療法,EMDR,持続エクスポージャー療法, トラウマ焦点化認知行動療法など)よりももっと対象は 広く、様々な人々がもっておくべき視点の一つとなる
私はいろんな関係機関とかかわっていて、警察も検察も裁判所も変わりつつあると思っています。メディアのあり方も変わりつつあります。なかなかいろんなハードルがあるというのは、今そこを戦っているが故のことだと思うんですよね。これまで戦いもなかったので、そういうバトルもなかったわけなんです。 ですので、いろいろこういう問題点があることを知ったうえで、性犯罪被害者が被害回復できるために私たちはこれからも努力していこうと思っています。
昨年、第4次犯罪被害者等基本計画がスタートいたしました。性犯罪など、被害が潜在化しやすい被害者への支援が必要という認識の下、ワンストップ支援センターですとか、警察庁の「#8103(ハートさん)」など公的な相談窓口が充実し、性犯罪・性暴力被害者のための様々な施策が展開されています。しかし、性別にかかわらず、そして、子どもから大人まで「誰にも相談しなかった」「相談できなかった」という声を聞くことは多くあります。
犯罪被害者支援との出会いから振り返り、犯罪被害者のメンタルヘルスの課題と、その心理的支援のあり方。そして、犯罪被害者等施策との関連についての推進、現状の精神科医療と支援団体等の連携について、お話をさせていただきたいと思います。
ご存じのように、2004年に犯罪被害者等基本法が施行され、その際に基本計画ができました。それが第2次、第3次と改正され、2021年からは第4次の基本計画に則り、被害者支援が展開されていっております。 今回のパネルでは「被害者が望む支援のために」という視点から「第4次犯罪被害者等基本計画」について、ディスカッションを行っていきたいと思います。