第3次犯罪被害者等基本計画に「被害が潜在化しやすく、ニーズの把握が困難」な性被害者や子どもへの支援の重要性がうたわれていることを踏まえ、議論を進めるにあたって問題提起した。地域社会で子どもや被害者家族を支えていく風土づくりを呼び掛ける。
「このパネルディスカッションでは、これまで連携がどんな形で行われてきたか、民間支援団体、弁護士、行政、警察とそれぞれの立場から報告していただき、これからの課題や展望を探っていきたい」と提起
パネルディスカッションでは、コーディネーターの熊谷さんが犯罪被害相談の中で性犯罪被害の割合が年々高まっている状況について「社会の偏見が少なくなり、被害申告がしやすくなったことで被害者が声をあげられるようになった」と評価しつつ、「被害者の信頼をさらに高めるためには関係機関の連携がますます重要になる」として、性犯罪被害者支援に携わっている3人のパネリストに現状や課題、今後の展望などを問いかけた。
我が国の犯罪被害者等施策は、犯罪被害者等基本法に基づき平成17年12月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画及び平成23年3月に閣議決定された第2次犯罪被害者等基本計画の下、大きく進展しました。しかしながら、これらにより犯罪被害者等の抱える問題が全て解決したわけではなく、犯罪被害者等や民間の被害者支援団体等からは、依然、広範囲・多岐にわたる要望意見が寄せられているところです。
犯罪被害に遭われた方やご家族にとって、身近な行政窓口である市役所や町村役場は果たして頼りになるだろうか? 心身に深い傷を負ったり、日常生活が手につかなかったり、さまざまな手続きに戸惑ったりしている時、親身に声をかけ、必要な支援を行い、関係先にきちんと橋渡しをしてほしい—。そんな被害者の方々の切実な願いがかなうようにと、昨年7 月『市町村における犯罪被害者等基本条例案』が発表された。