私の所属する「紀の国被害者支援センター」は、平成9年に全国で6番目に和歌山市内に任意の団体として設立し、平成22年に公益社団法人の認定を受け、23年に県公安委員会から、被害者支援を適正且つ確実に行うことができる営利を目的としない法人として「犯罪被害者等早期援助団体」に指定され、被害直後から被害に遭われた方やそのご家族又はご遺族の方々にそっと寄り添い、ニーズに応じたきめ細やかな総合的な被害者支援活動に地方公共団体(県・市町村)「(以下「地方公共団体」という。)」をはじめ県内の各専門の支援機関の皆さま方と連携して取り組んでいます。
犯罪被害者民間支援30年・犯罪被害給付制度及び犯罪被害救援基金40年を迎えるにあたり、ここまで日本の被害者支援を急速に発展させてこられた多くの先達の方々に対して感謝申しあげます。そして、現在もそれぞれのお立場で被害者支援活動をしていらっしゃる皆様に感謝しながら、遺族として、支援させていただく者として、日頃感じていることを書かせていただきます。
毎日のように犯罪被害者等は生まれています。その犯罪被害者等は、事件、事故の内容がそれぞれ異なり、同じ事件の家族であっても一人一人向かって行く方向や考え方、行動が違います。今回は、私個人の体験・経験、感じたこと、今後の支援に対しての意見等を伝えたいと思います。ご参考にしていただければ幸いです。
日本の犯罪被害者支援は、犯罪被害者等給付金の支給等の経済的側面からの支援に加え、電話相談や面接相談等の精神的側面からの支援も行われるようになった。他方、弁護士が、本格的に犯罪被害者支援活動に注目するようになったのは、平成9年(1997年)4月に日本弁護士連合会が犯罪被害回復制度等検討協議会を設置し、犯罪被害者支援のための諸施策の検討を開始したのが始まりである。
欧米には、人々が直面する肉体的、社会的、精神的な様々な困難に対処し、問題の解決に当たる旨を神に向かって誓い(Professus・ラテン語)、そのような使命を果たすべく神からお呼び出しを受け(Vocation。職業の意味がある。Voice の語源)、神に代わって職業として人々の困難に対処し、問題の解決にあたる一群の者を専門職(Old)Profession 注1と位置づける文化がある。