第3次犯罪被害者等基本計画に「被害が潜在化しやすく、ニーズの把握が困難」な性被害者や子どもへの支援の重要性がうたわれていることを踏まえ、議論を進めるにあたって問題提起した。地域社会で子どもや被害者家族を支えていく風土づくりを呼び掛ける。
犯罪被害に遭われた方やご家族にとって、身近な行政窓口である市役所や町村役場は果たして頼りになるだろうか? 心身に深い傷を負ったり、日常生活が手につかなかったり、さまざまな手続きに戸惑ったりしている時、親身に声をかけ、必要な支援を行い、関係先にきちんと橋渡しをしてほしい—。そんな被害者の方々の切実な願いがかなうようにと、昨年7 月『市町村における犯罪被害者等基本条例案』が発表された。
犯罪被害者や家族・遺族らの方々(犯罪被害者等)が基本法の理念にある「個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される」状態には、まだまだ遠い。そうしたなか、全国の地方自治体では、基本法を受け、犯罪被害者等の支援をうたった条例を制定する動きが広がりつつある。生活に身近な自治体での支援条例には、どんな効果が見込めるか? 今後の課題は?
2004年の就任以来、摂津市では、「感謝」「奉仕」「節約」「挨拶」「思いやり」の五つの心を大切にして、社会のルールを守れる人づくりを目指す「人間基礎教育」に重点を置いてきた。 同年施行の犯罪被害者等基本法を受けて、まず地元の警察署を中心とする犯罪被害者支援協議会をつくり、さらに民間の被害者団体や大阪被害者支援アドボカシーセンターからも参加を迎えて犯罪被害者支援検討協議会をつくり、情報交換や勉強をすすめた。