大切な人を失うことはいかなる場合でも残された人々に大きな苦痛を与えます。このような死別体験のあとには、悲しみや嘆きなどの心の反応の他に息苦しい、食欲がないなどの体の変調やひきこもってしまうなどの行動の変化がしばらく続くことがあります。
国民が犯罪、そして犯罪被害者について自ら考える時代になってきたと思います。これからも、国民の理解と支持を得ながらあるべき犯罪被害者等支援施策をどのように充実していくか、ネットワークの皆様のお知恵も借りながら、政府における総合調整役として努力していきたいと思います。
被害者がいつでも・どこでも・途切れることのない支援を受けられる体制を整えるため、民間団体や国、地方公共団体の各機関が共有して連携した支援を行うためのハンドブック(「ガイドブック」「手引き」等名称は地域により異なります。)が、2008年に内閣府が作成した「被害者支援ハンドブック・モデル案」を下敷きにして、各地で作られつつあります。
わが国が急速なグローバル化(globalization)の中にあることが指摘されてから久しい。グローバル化とは、周知の通り、あらゆることが地球的規模で行なわれ、全世界との関わりを持つ、という現象を指す。後述するように、わが国の社会におけるグローバル化の進行に伴い、「犯罪のグローバル化」や「犯罪被害のグローバル化」も進行している。しかし、この「犯罪のグローバル化」や「犯罪被害のグローバル化」に犯罪被害者支援は対応しておらず、「犯罪被害者支援のグローバル化」は十分に整備されていない。
被害者は、事件直後から数多くの問題に直面します。それらの問題の解決のためには、電話で話を聞いて助言等を行う「電話相談」だけではなく、以下に説明するような「直接的支援(直接支援)」と呼ばれる支援も大きな役割を果たしています。