第2部は、「民間団体と関係機関の連携した支援の在り方」ということで構成しております。 最初にパネリストの方に意見発表していただいて、その後、今回初めて架空事例の検討として、一つ事例を用意して、みんなで討議しながら支援の在り方を考えていく時間を設けます。 その後、連携の在り方についてディスカッション。それで最後にまとめという予定でおります。
この第3次基本計画には、計画を作る際にいただいたご意見の中から、基本方針の中に盛り込まれたことがございます。それが、被害が潜在化しやすく、そのニーズを把握することが困難な被害者の皆様に関する適切な支援でございます。 潜在化しやすい被害として性被害の問題が大きくあります。本日、テーマに取り上げる子どもたちの被害も、大変ニーズが把握しにくく、潜在化しやすく、適切な支援が必要とのことで盛り込まれた次第です。ここが今日のテーマのひとつということにもなっているわけです。
被害者のニーズに応じた質の高い適切な支援ということだろうと思います。 、被害者の方のお気持ちというのは、いろいろなものがございます。 それに対し被害者支援というのは、被害者の方の気持ちに寄添った支援ができるかどうかということですので、そのための連携にはどんな形があるのかということを、これからパネリストの方に御報告いただきます。
被害者を「気の毒な人」と見るのでなく、英雄視したり単純化したりするのでもなく、できるだけ実態に近い姿やその人の言葉を伝えることは、世の中の偏見や誤解、「被害者ってこういうもんだ」という思い込みや決めつけを変えていくのに、何がしかの力を発揮するのではないでしょうか。複雑な現実を複雑なままに伝えることは、「より速く、より短く、よりインパクトが強い」ものが求められる昨今では、さらにむつかしいことではありますが、社会政策の改善を求めたり、より適切な支援を探ったりしていくためにも、必要なことだと思います。
1999年に日本弁護士連合会(日弁連)において犯罪被害者支援委員会(当初の名称は「犯罪被害者対策委員会」、以下「支援委員会」という。)が設置されたが、私は2000年に委員として参加し現在に至る。2009年度及び2010年度には支援委員会の委員長を務めた。支援委員会の当初の10年間は犯罪被害者等(以下「被害者」という。)の権利の確立を求めるとともに、被害者に対して弁護士は何ができるのかを模索して、支援委員会も私自身も無我夢中で活動していた。