今日の犯罪被害者支援の発展に大きく寄与してきた本フォーラムは、平成8年11月5日に財団法人犯罪被害救援基金、日本犯罪被害者学会、東京医科歯科大学犯罪被害者相談室の三者により第1回大会が開催されてから20回を迎え記念すべき大会となりました。
犯罪被害に遭われた方やご家族にとって、身近な行政窓口である市役所や町村役場は果たして頼りになるだろうか? 心身に深い傷を負ったり、日常生活が手につかなかったり、さまざまな手続きに戸惑ったりしている時、親身に声をかけ、必要な支援を行い、関係先にきちんと橋渡しをしてほしい—。そんな被害者の方々の切実な願いがかなうようにと、昨年7 月『市町村における犯罪被害者等基本条例案』が発表された。
被害者支援の施策において先進的な取り組みがなされており、被害者支援施策を専門的に取り扱う省庁が置かれています。日弁連の犯罪被害者支援委員会では、被害者支援の施策を専門的かつ一元的に取り扱う「犯罪被害者庁」の設立を目指して活動を始めており、その一環として、今回、両国における施策を調査することとなったものです。
「犯罪被害者支援におけるカウンセリングの役割」について、「心の傷」やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の臨床研究でわが国の第一人者である飛鳥井理事にうかがった。
被害者支援活動の中でも年々比重が高まっている「直接的支援」がテーマ。被害者や遺族の方々が警察、検察、裁判などに臨む時、どのような制度や仕組みがあり、どんな配慮や心遣いがなされているのか、それらは現状で十分か、一層の充実へ課題は何か-などを論点に、パネリストからはそれぞれの立場を踏まえ、示唆に富んだ発言が相次いだ。