全国被害者支援ネットワークは、欧州に犯罪被害者支援の実情を調査する調査団を派遣いたしました。当ネットワークの第2 期3 年計画(平成25 年度~ 27 年度の中期計画)は、「信頼に基づく連携の強化」をメインテーマとして、「犯罪被害者支援の国際化への対応」を重点施策のひとつに掲げていました。これは、「グローバル化する社会において、日本の犯罪被害者支援も諸外国の犯罪被害者支援から学び、日常の支援活動に活かしていくことが求められていること」「日本人の海外での活動が飛躍的に増加し、海外における日本人の犯罪被害が増加していること」「日本で活動する外国人の急増に伴い外国人の犯罪被害者が増加していること」などが背景にあり、諸外国の犯罪被害者支援の実状を直接訪問・調査し、今後の活動に活かして犯罪被害者支援の質の向上を図っていきたいと考えたからであります。
全国被害者支援ネットワークは、平成28年2月28日から3月6日まで、欧州の先進的な被害者支援の取組の実態を学ぶ目的で、イギリス・グラスゴー、ロンドンとドイツ・ヴィースバーテン、マインツに、9 名の調査団を派遣しました。(メンバーは表1参照)。今回の海外調査事業で得られた成果が、これからの被害者支援活動の充実と進化につながり、また被害者支援活動の参考となることを願います。
ネットワーク第2期3年計画(国際化への取り組み〜海外諸団体の活動内容の調査と交流)に基づいて、飛鳥井望氏(ネットワーク理事)をリーダーとした調査団(10名)の一員として、2016年2月28日(日)から3月6日(日)までの8日間、イギリス・ドイツで犯罪被害者支援を行っている民間団体及び公共機関を訪問しました。
被害者支援の施策において先進的な取り組みがなされており、被害者支援施策を専門的に取り扱う省庁が置かれています。日弁連の犯罪被害者支援委員会では、被害者支援の施策を専門的かつ一元的に取り扱う「犯罪被害者庁」の設立を目指して活動を始めており、その一環として、今回、両国における施策を調査することとなったものです。
韓国では、1987年の憲法改正により犯罪被害者の救助請求権が憲法に明示され、さらに、同年制定された犯罪被害者救助法に基づき、日本での犯罪被害給付制度にあたる救助金制度がつくられた。