きょうは、いろいろな犯罪被害でも、子どもさんが被害を受けるということはあるわけですが、学校との連携がなかなか難しいところがあるので、そこについて話をしていこうと思います。 犯罪被害は児童・生徒の人生に大きな影響を与えます。また、被害当事者である児童・生徒、被害者家族は周囲から孤立しやすい傾向があります。児童・生徒や取り巻く各機関が、どのように支援し連携していくことができるかということを話していこうと思います。
私は、この後、少しお話をさせていただきますけれども、精神科医として、それから、児童青年期の精神科医として、日ごろ臨床に携わっております。その臨床の場で、犯罪被害に遭われたお子さんや、そのご家族と出会うことも多々あります。そういった方々から様々なことをお教えいただいておりまして、本日は、そういったことも含めて皆さん方と共有させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
被害者支援都民センターの佐藤真奈美氏は、学校との連携は「センターにとって非常に難しいテーマ」と話します。実際に2020 年度から3 年間に支援した小中学生のケース43 件のうち学校とやりとりしたのは7件のみ。ほとんどが担任教員やスクールカウンセラーと連絡を取り、学校での配慮や環境調整を求めて情報共有するといった担当者ベースの連携といいます。千葉県警の吉田幸代氏は、警察の被害者に対する配慮や心理的支援、給付制度の窓口任務など、刑事司法手続き中に行われる支援を紹介しました。しかし、その後も関係機関によって支援をつなげていくには、「学校現場の方たちとの連携が重要」としました。
皆さん、こんにちは。今から19 年前、遭いたくもない事件で娘を亡くした父親です。事件・事故はさまざまですので、きょうは私一個人の考えとして話をさせていただきます。大きく分けて、事件後の状況と解決、支援、二次的被害、皆さまの安心安全、事件解決の協力、最後に裁判についてです。
私は児童青年期の精神科医として臨床に携わっており、犯罪被害に遭ったお子さんやご家族と出会います。勤めている兵庫県こころのケアセンターは阪神・淡路大震災後の心のケアをする組織で、付属の診療所ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)に特化したTF- CBTという治療プログラムを提供しています。