私は児童青年期の精神科医として臨床に携わっており、犯罪被害に遭ったお子さんやご家族と出会います。勤めている兵庫県こころのケアセンターは阪神・淡路大震災後の心のケアをする組織で、付属の診療所ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)に特化したTF- CBTという治療プログラムを提供しています。
これまでのフォーラムは、コロナ流行による「異例づくし」の連続でしたが、本年はコロナも終息に近づき、ようやく4 年ぶりに入場制限せずに従前どおりの正常な運営となりました。参加した方々からも「久しぶりにフォーラムに参加できました」等の声が寄せられました。
いくつかの大学・大学院で講義させていただいており、毎回、熱心に受講するたくさんの学生の姿に接し、この講座の意義深さを体感している。そこで、私の経験を中心に、この講座の意義について、思うところを述べることとする。
法曹界や教育機関、警察関係、行政等への進路を希望している学生・大学院生を対象に、事件や事故の被害に遭った犯罪被害者ご本人、ご家族、ご遺族が被害後に置かれる状況について理解を深め、また、犯罪被害者を支援する活動の認知促進を目的とする
理事長就任のご挨拶