私は、この後、少しお話をさせていただきますけれども、精神科医として、それから、児童青年期の精神科医として、日ごろ臨床に携わっております。その臨床の場で、犯罪被害に遭われたお子さんや、そのご家族と出会うことも多々あります。そういった方々から様々なことをお教えいただいておりまして、本日は、そういったことも含めて皆さん方と共有させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
私は児童青年期の精神科医として臨床に携わっており、犯罪被害に遭ったお子さんやご家族と出会います。勤めている兵庫県こころのケアセンターは阪神・淡路大震災後の心のケアをする組織で、付属の診療所ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)に特化したTF- CBTという治療プログラムを提供しています。
TIC を考える上でまず共有したいことは、TIC は、決 して目新しい概念や技術的な一技法ではないというこ とである。TSC(Trauma Specific Care:トラウマ スペシフィックなケア)と呼ばれる、トラウマに特化した PTSD(心的外傷後ストレス障害)への治療プログラム (認知処理療法,EMDR,持続エクスポージャー療法, トラウマ焦点化認知行動療法など)よりももっと対象は 広く、様々な人々がもっておくべき視点の一つとなる