被害者支援の施策において先進的な取り組みがなされており、被害者支援施策を専門的に取り扱う省庁が置かれています。日弁連の犯罪被害者支援委員会では、被害者支援の施策を専門的かつ一元的に取り扱う「犯罪被害者庁」の設立を目指して活動を始めており、その一環として、今回、両国における施策を調査することとなったものです。
「犯罪被害者支援におけるカウンセリングの役割」について、「心の傷」やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の臨床研究でわが国の第一人者である飛鳥井理事にうかがった。
世間の周知を高めれば、新たな社会の協力を得ることができるだろう。ネットワークの主導すべき大事な分野ではないだろうか。
被害者支援活動の中でも年々比重が高まっている「直接的支援」がテーマ。被害者や遺族の方々が警察、検察、裁判などに臨む時、どのような制度や仕組みがあり、どんな配慮や心遣いがなされているのか、それらは現状で十分か、一層の充実へ課題は何か-などを論点に、パネリストからはそれぞれの立場を踏まえ、示唆に富んだ発言が相次いだ。
事件当時は、青森県には支援センターがなく、付き添いなど直接的支援も行われていない時代。青森から横浜の警察、検察、裁判所へと何度も通った山内ご夫妻。関係先での被害者への対応は厳しく、いつも孤独で心細い思いをしていたという。そんな中、法廷では裁判長が最初に加害者に「あなたにとって不利なことは言わなくてもよい」と言ったが、この言葉は被害者遺族にとって「とても辛い」。山内さんは裁判を公正に行うためにも「あなたは真実を述べなさい」と迫れる法律の制定を訴えた。