全国被害者支援ネットワークでは、日本財団の助成を受けた海外調査事業として、欧州の先進的な被害者支援の取組みの実態を学ぶ目的で、平成28 年2 月28 日- 3 月6 日に9 名の調査団を派遣した。訪問都市は、英国のグラスゴー、ロンドン、ドイツのヴィースバーデンとマインツである。周知のように、これまでの約40 年間、犯罪被害者支援活動において国際的にも模範となってきたのは、英国のヴィクティム・サポートやドイツのヴァイサー・リング(白い環)といった、豊富な資金力と多数のボランティア・スタッフに支えられた民間被害者支援組織である。両組織の活動に関しては、これまで我が国でもいろいろな機会に紹介されている。しかし最近になり、先進的と言われてきたその両国にもさらに新たな動きがあり、今回の調査事業が重点を置いたのは、英国やドイツで実際の被害者支援活動がどのように運用されているのか、その最新の内容についてできるだけ具体的な情報を得ることであった。その目的のために、日程上の制約も考慮した上で、調査テーマと訪問先を絞り込み、ヒアリングと質疑にそれぞれ十分な時間を当てるようにした。