私が犯罪被害の問題に取り組むようになったのは、犯罪被害者等基本法(以下、基本法)の制定以後のことであり、この分野の研究者としては「若輩」ですが、このような執筆の機会を与えていただき感謝いたします。犯罪被害者にかかわる動向を俯瞰すると、経済的支援、精神的ケアから始まり、被害者の権利獲得のための運動、そして近年は被害者のニーズを満たすための制度・施策等の推進へと大きく流れが移ってきています。そのような流れのなかで社会福祉(ソーシャルワーク)が果たす役割は大きくなっています。