犯罪被害者支援に関する法制度やそれに基づく諸施策は、近年、著しく充実し、法令改正の頻度も高く、改正の都度、少しずつ改善が進んでいる。 昭和、そして、平成の初期のころを思えば、その充実ぶりには目を見張るものがある。 しかし、犯罪被害者の多岐にわたるニーズを理解し、そのニーズを満たすための法制度やそれに基づく諸施策は、まだ完成したとまではいえない。 そこで、私たちは、これまで犯罪被害者支援の充実に力を注いできた諸先輩の熱意と不断の努力の軌跡を振り返り、その熱意を受け継ぐにとどまらず、さらなる改善を遂げて、次世代に引き継がなければならない。