国民の誰もが犯罪被害者等になり得る中、犯罪被害者等の声に耳を傾け、その視点に立った施策を講じ、権利利益の保護が図られる社会を実現するため、平成16年12月、犯罪被害者等基本法が制定されました。そして、同法に基づき、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等基本計画が定められることとされております。現在、第3 次犯罪被害者等基本計画に沿って、関係府省庁の連携の下、着実に取組が進められています。警察庁におきましても、これまで犯罪被害者等基本計画等に沿って犯罪被害給付制度の見直しや犯罪被害者等に対する公費負担制度を始め様々な取組を行ってきています。 しかしながら、基本法の理念である「犯罪被害者等の個々の事情に応じた途切れのない支援」を実現するためには、国や地方公共団体といった行政の取組だけでは到底十分とはいえません。犯罪被害者等は、被害直後から、医療・福祉、住宅、雇用など生活全般にわたる支援を必要としています。そして、犯罪被害者等が被害から回復するためには、時に長い時間を要し、その間、犯罪被害者等のニーズは変化し、必要な支援の内容も変わり得ます。こうしたニーズに応えるためには、柔軟性に富んだきめ細やかな支援を被害者や地域の実情に応じて提供することができる民間の被害者支援団体の活動の充実が必要不可欠です。