被害者を「気の毒な人」と見るのでなく、英雄視したり単純化したりするのでもなく、できるだけ実態に近い姿やその人の言葉を伝えることは、世の中の偏見や誤解、「被害者ってこういうもんだ」という思い込みや決めつけを変えていくのに、何がしかの力を発揮するのではないでしょうか。複雑な現実を複雑なままに伝えることは、「より速く、より短く、よりインパクトが強い」ものが求められる昨今では、さらにむつかしいことではありますが、社会政策の改善を求めたり、より適切な支援を探ったりしていくためにも、必要なことだと思います。