犯罪被害者支援は、犯罪被害者の多岐に亘るニーズに対応するため、多くの機関・団体・個人がそれぞれの専門性や立場を活かした支援を提供することはもとより、それらが継ぎ目なく連携・協働して支援が行われることが求められる。 警察は、他のいかなる機関・団体等と比べても、最も早い段階から最も多くの被害者に接する機関であることから、犯罪被害者に対する支援の起点となることが多いが、警察のみで支援を行うことには、警察の責務の観点からも、人的・財政的資源の制約の面からも自ずと限界があることは明らかである。また、被害者によっては、様々な事情により、警察への被害申告をためらう者、あるいは警察に自ら申告する意思や能力が不足している者、さらには、既に時効が成立しているなど必ずしも警察の支援を必要としていない者も存在する。