犯罪被害者支援
デジタルライブラリー
Digital Library for Victim Support

history歩み

令和元年度ネットワーク加盟団体の活動状況(2019年4月~2020年3月)

全国被害者支援ネットワークの加盟48団体は、被害者からの相談への対応、直接的支援、自助グループへの援助、広報啓発活動、犯罪被害者等給付金の申請補助などの活動を行っている。2019年4月から2020年3月までの、加盟団体が行った相談活動と直接的支援の状況をとりまとめた。昨年度に引き続き、年度での集計となっている。
(注)性暴力被害者支援ワンストップセンターの件数も含めて計上されている。

1.被害者等からの相談

48 センターが、2019年4月から2020年3月までに取り扱った相談総数は39,590件であった。うち、犯罪被害に関わる相談が32,749件(82.7%)、犯罪には該当しないが相談電話で扱った相談が6,841件(17.3%)であった。

犯罪に該当しない相談(以下「その他」という。)としては、近親者の死別や自殺に関する相談、犯罪被害に関する一般的な問い合わせなどが含まれる。

(1)犯罪被害に関する分析(性暴力ワンストップセンターを含む)

相談の総数39,590件から、「その他」6,841件を除き、犯罪被害相談の計32,749件(以下「犯罪被害相談件数」という。)について、被害罪種別にグラフで示すと以下のとおりである。

最も多い相談は性犯罪被害(前頁グラフ中※印のついたもの)17,065件で、犯罪被害相談件数の 52.1%を占める。性犯罪被害の中では、強制性交等(準含)の相談件数が最も多く7,654件(23.4%)、次いで強制わいせつ(準含)6,686(20.4%)、その他の性的被害は 2,149 件(6.6%)であった。
身体犯の被害は8,018件で犯罪被害相談件数の24.5%を占める。身体犯の中では、殺人(傷害致死)の相談件数が最も多く 4,444 件(13.6%)であり、暴行・傷害2,853件(8.7%)、強盗(致死傷)338件(1.0%)、その他の身体犯383件(1.2%)であった。

交通事犯は、危険運転致死傷、交通死亡事故、交通事故の計4,220件で、犯罪被害相談件数の12.9%を占めている。
また、財産的被害は3.3%、DV被害は4.4%、ストーカーは2.0%、虐待は0.9%であった。

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-補足-犯罪被害に関する分析(10カ所のワンストップセンターのみのデータ)

性暴力ワンストップセンターを運営するセンターのうち 10 センターから、ワンストップセンター独自のデータを提出していただいた。2019年4月から2020年3月までに取り扱った相談総数は5,415件であった。うち、犯罪被害に関わる相談が4,980 件(92.0%)、犯罪には該当しないが相談電話等で扱った相談が435件(8.0%)であった。

相談の総数5,415件から、「その他」435件を除き、犯罪被害相談の計4,980件(以下「犯罪被害相談件数」という。)について、被害罪種別にグラフで示すと以下のとおりである。

性犯罪被害(上記グラフ中のついたもの)の中では、強制性交等の相談件数が最も多く2,191件(44.0%)、次いで強制わいせつ1,716件(34.5%)、その他の性的被害648件(13.0%)であった。DV被害は2.6%、ストーカーは0.6%、虐待は 0.1%であった。

性暴力ワンストップセンターの相談総数5,415件と、センターのみの相談総数34,175件を合計すると、前述の相談の総数件と一致する。

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(2)相談者がセンターに相談した手段

電話相談が犯罪被害相談全体の73%、次いで面接、電子メール、手紙となっている。その他は、警察からの情報提供等である。

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※犯罪被害に関わる相談のみについて内訳を算出

(3)相談者と被害者の関係

本人からの相談が50%で最も多く、次いで父または母24%、夫または妻5%、親族2%、子ども4%、友人・知人等2%、他機関13%となっている。

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※犯罪被害に関わる相談のみについて内訳を算出

(4)相談に対する対応(複数回答)

被害者からの相談への対応については、電話の場合、相談が最も多く22,780件、次いで他機関紹介1,164件となっている。

面接の場合も相談が最も多く2,842件、次いでカウンセリングが1,834件となっている。

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※犯罪被害に関わる相談のみについて内訳を算出

2.直接的支援

令和元年度、被害者等からの相談や警察からの情報提供によって、加盟48団体が行った直接的支援は、7,577件であった(犯罪被害以外の支援を除く)。以下のグラフは、直接的支援を行うための関係機関との連絡調整(その他)1,104件を除く 6,473件について、その内訳を示す。
直接的支援では、被害者参加裁判への相談員による付添い、裁判傍聴への付添い、被害者に替わって裁判の記録をとる代理傍聴など裁判関連の支援が最も多く、2,679件(直接被害者等を支援した件数の41.4%)、次いで弁護士法律相談付添い1,461件(22.6%)、検察庁関連支援575件(8.9%)、カウンセリング付添い442件(6.5%)、自宅訪問329件(5.1%)、警察関連支援277件(4.3%)、行政窓口等への付添い203件(3.1%)、病院付き添い173件(2.7%)、支援金等の支給141件(2.2%)、生活支援133件(2.1%)、物品の供与・貸与76件(1.2%)、宿泊施設提供4件となっている。

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3.その他

令和元年度の全加盟団体による自助グループ開催件数は、250件であった。そのうち、交通死亡事故に関する開催は 94 件、罪種に関わらない集まりは115件、殺人(傷害致死)に関する開催は18件、強制性交等が9件、危険運転致死傷に関する開催は1件、DVに関する開催は2件であった。

また、同年度の全加盟団体による広報啓発活動の回数は、4,181回であった。