― 無 意 味 ―
公益社団法人被害者支援センターとちぎ
自助グループ「あかしの会」
M.S
「犯罪被害者の声 第18集」より
息子の事件概要
2015年1月26日 息子は、可愛がっていた中学生と自宅でトラブルになった。その当時、足首を骨折して松葉杖をついていたが、その松葉杖がくの字に曲がるほど一方的に激しく殴られ全身打撲による失血死で16歳の命を奪われた。中学生は通報もせずその場から逃げたが、その後、逮捕され家庭裁判所から「傷害致死罪」で初等少年院に送致された。
去年のある朝、ニュースから聞こえてきた聞き覚えのある名前。
ふと頭をよぎりましたが「まさか・・・」と思い直し仕事に出かけました。しかしその「まさか・・・」は現実でした。
9年前、息子を息絶えるまで殴り救護することなく死に至らしめた男は同居する交際女性を暴行し逮捕されたのです。
私は正直頭の中が真っ白になり、冷静に理解することが出来ませんでした。
成人を過ぎたその男は、更生するどころか罪を重ねていたのです。
ニュースに映るその男の姿は私が最後に見た時とは変わりはてた姿で、一瞬で正しい道を歩んできてはいないと見てとれました。
2020年11月より振り込まれ始めた月々わずかな賠償金も2023年に入ってからは滞り、所在不明になっていました。
元々わずかな賠償金など当てにもしていません。
私はただ、その男に人の命を奪った罪の重さを息子のことを忘れさせたくありませんでした。
だから、せめて毎月26日、息子の月命日でもあるその日に思い出させてやりたかった。
9年前の事件以降、私は必死に日々を過ごしながらも心のどこかでは、その男も心に十字架を背負いながら生きているはずだと思っていたし絶対そうだと思いたかった・・・。
しかし、その私の思いはこんな形で打ち砕かれたのです。
人生の中で一人の命を殺め、また同じような罪を重ねる。
きっと、普通の人間には理解できない思考に支配されているとしか思えません。
息子の死、これまでの9年、その男の人生、私の人生、これからの時間、全てが無意味に思えて仕方ありません。
『悔しいままの半年』
ねぇU
Uはどう思う?!
今回の件、Uなら何て言うだろう?きっとガッカリしているよね?更正していなかったんだ・・・って。
まだ何も進んでいない現実、今後の進展、お母さんは
きちんと見届ける責任があると思う。
大丈夫お母さん強くなるから!!
Uの命を無駄にしないために。