被害者支援の歴史とこれから - 年表 -

三菱重工ビル爆破事件

過激派が仕掛けた爆弾で丸の内の三菱重工ビルが爆破され8人が死亡、380人が負傷した。この事件をきっかけに犯罪被害者補償制度の確立を求める声が高まった。


「犯罪被害者等給付金支給法」制定

殺人などの犯罪行為により不慮の死を遂げた犯罪被害者の遺族又は重傷病若しくは障害という重大な被害を受けた犯罪被害者に対し て、社会の連帯共助の精神に基づき、国が犯罪被害者等給付金を支給する制度。 犯罪被害者による精神的、経済的打撃の緩和を図り、再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的とする。


犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム開催

犯罪被害給付制度の発足10周年を記念して1991年10月に開催されたシンポジウム。会場での一遺族の悲痛な訴えが官民に被害者支援への行動を迫るものとなった。 全国規模の被害者実態調査と組織的な被害者支援活動開始の契機となる。 現在の被害者支援都民センターの前進となる東京医科歯科大学内の犯罪被害者相談室もこのシンポジウムの5カ月後に開設され、民間被害者支援の第一歩となる。


全国被害者支援ネットワーク設立と権利宣言公表

犯罪被害者支援に関わる8組織が連携して「全国被害者支援ネットワーク」を設立、翌年、「犯罪被害者の権利宣言」を発表。犯罪被害者支援が社会の責務であることや被害者の7つの権利などを公表した。この権利宣言がのちの犯罪被害者等基本法の骨子とも言うべきものとなる。


「犯罪被害者等基本法」公布

犯罪被害者等の権利と利益の保護」を図ることを目的に議員立法により成立。犯罪被害者等給付金では経済的な支援が主目的であったが、基本法では被害者の尊厳を重視し、相応しい処遇を受けることが保障された。被害者への支援は国・地方公共団体・国民の責務であることも明記された。


「犯罪被害者等基本計画」閣議決定

犯罪被害者等基本法に基づき、国が総合的かつ長期的 に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱を定めた。国は、基本計画に基づいて、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進していくこととなる。 第一次基本計画(平成17年12月~平成22年度)と第二次基本計画(平成23年度~平成27年度)がある。 第一次では損害回復・経済支援への取組み、精神・身体的被害の回復・防止、支援のための体制整備などが取組み施策となった。第二次では性犯罪支援への本格的な取り組み、カウンセラーの役割重視、被害者参加制度での旅費等の支給、民間団体への支援などが含まれている。

内閣府犯罪被害者等施策ホームページから引用


被害者参加制度の施行

犯罪被害者やその家族が刑事裁判の公判に出席して、証人に直接尋問したり、意見陳述したりできる制度。求刑についての意見陳述することも可能で、そのために被告人に事件そのものや情状に関することで質問することもできる。