支え合う仲間達
公益社団法人被害者支援センターとちぎ
自助グループ「あかし」
J・K
「犯罪被害者の声 第13集より」
私は、2000年9月25日に交通事故で最愛なる息子(14歳)の命を奪われました。
息子を亡くしたばかりで悲しみの絶頂でいた私に追い打ちをかけるかのように、警察、検察庁、保険屋、あらゆる行政機関から連絡が入り、足を運ばせました。
難しい話ばかりで理解力も低下している心境でしたので、反対に悩まされ解決の糸口が見つかりませんでした。
私の神経は乱れに乱れ、心的外傷後ストレス障害となってしまいました。
安定剤、抗不安薬、抗うつ薬、過敏性大腸症候群薬を処方され、毎月薬で体だけは支えられ、心の傷・痛みは何十倍にも膨れ上がりパンク寸前でした。
こんなにボロボロになった私を救ってくれたのが自助グループでした。
当時は、被害者支援センター、自助グループ、生命のメッセージ展などはありませんでした。
自助グループとは、
①毎月1回、犯罪被害に遇った人達がセンターに集まり、自分の気持ち、体調を吐き出す癒やしの場です。
②その場所で話した事は外部に漏らしてはいけません。秘密主義ですので、安心して自分の気持ち、行動をさらけ出せます。
③1人20分程度で話ができ、皆さんはうなずいたり涙を流したり、自分の事のように話を聞いてくれます。同感してくれる嬉しさがあります。
④その後、フリートークとなり、自分の心情、最近の生活など、犯罪に関係のない話などもします。助言してくれたり、怒ってくれたり、笑ってみたり、さまざまな感情のぶつけあいができます。
⑤センターの配慮があり、テーブルには可愛いお花。お茶菓子などが置かれ、事務局の方々がメモを取りながら一人一人の傷の痛みを分かってくれようと努力している姿にも心が打たれます。笑顔で迎えてくれ、笑顔でまた来月お会いしましょう、と優しいほほえみをくれます。
自助グループが立ち上がり、1期生である私、この10年間はアッという間でした。
最初の頃は、いつも私の前にティッシュの箱があり、足元にはゴミ箱があり、毎回怒りと悲しみで泣いてばかりいました。
そのたびに仲間の温かいまなざしと言葉で私は元気になり、また来月も息子の話ができると楽しみになってきました。
風化していく息子。封印している息子の話。センターでは思いきり自由に話す事ができる安堵感。私の隣に息子が居るような気持ちにさせてくれます。
不思議な空間。この気持ちにさせてくれるのは、私1人ではないのだ。仲間がいるのだ。と、すーっと気持ちが楽になります。
自助グループとは、亡くなった愛する者達の供養の場であり、残された遺族の気持ちが分かり合える素晴らしい仲間達との交流の場です。
感謝の気持ちでいっぱいです。