公益社団法人被害者サポートセンターおかやま
加 藤 裕 司
犯罪被害者の家族の思いをどう伝えるべきか悩みましたが、起きた事件、その時に私たちが何を感じていたのか、そして今何を思っているのか、ありのままに書き綴りました。
平成23年9月30日(金)
こんなことが起きるなんて……まったく予感も予想も働かなかった。娘はいつも私と相前後して帰ってくるため、毎日習慣のように妻に、「みさくんは?」と尋ねることにしていた。「まだよ。 今`日はヨガ教室があるから遅いよ。」の返事に少しがっかりしながら着替えに寝室のある2階に上がったことを覚えている。
その日は、仕事の関係で帰りが遅くなっていたのでとっくに娘は
帰っているものと思っていた。まさか、この時すでに娘が住田絃一
に殺されているなんて想像もできなかった。
10月1日(土)
娘が何らかの事故か事件に巻き込まれたのじゃないかと思ったのは、土曜日の夕刻になっても帰ってこなかったからだ。どんなに帰りが遅くなっても、必ずメールか電話で返事をしてくる娘だったし、黙ったままで何の達絡もしないなんて考えられなかった。 read more