社団法人被害者サポートセンターおかやま
大 崎 利 章
Ⅰ 事件の概要
事件は去年(2010年)2月25日の午後5時半ごろに起きました。私はまだ仕事から帰宅していなかったのですが、弟が突然、家の中に入ってきて妻を何度もナイフで刺していたと子供達が話していました。
弟は妻の頭や背中をナイフで10数カ所刺した後、今度は、子供の方に「お前らも殺してやる」と言いながらナイフを振り回してきたそうです。弟は子供達を切り付けた後、灯油をまいて家に火をつけました。火が燃え広がるとき、長男と二男は別々に逃げ出していて長男は近所の家に助けを求めていました。
そのとき妻は、自力で家の外にでて燃える家の前で、当時7歳だった二男の名前を叫んでいたそうです。家にいた家族3人がバラバラになり特にまだ小さかった二男が無事かどうか、確認したかったのでしょう。
私が帰宅した時、妻は既に意識はありませんでした。それでも、私がそばに行くと妻が顔をこちらに向け、何かを語りかけているようでした。子供達の無事を確認してほしかったのか、弟のことを話したかったのか。妻はその後、出血多量で死亡が確認されました。子供達は幸い命は取り留めましたが20針以上縫う怪我を負いました。弟は家に火をつけた後、車で逃げましたが2時間後に警察に逮捕されました。 read more